私はどこから見てもアジアの民に見える。
でも、どこの国かと決定打が出ないらしい。
日本?中国?韓国?
そうね、漢民族には違いないから、どこの国でも同じような容姿なのだろう。
個人的に思うことなので気を悪くしないでもらいたいのだが、この三国の中では、日本人が一番スタイルが悪いと思う。
それは置いといて、当たらずも遠からずなので、三国のうちのどれかだと思うと答えた人には、みんな正解にしてあげる。
しかし、一番よく言われるのは、チベット人。
そっか、そう見えるのか。。。。
確かにチベットの人たちは日本人によく似ているもんね。
これも「近い!」ということで、ちょっと当たりにしてあげる。
一番スゴイ間違いをされたのは、そう、あれはタイのチェンコンに近いモン族の村でのことだった。
観光化されていない村なので、タイの友人に案内してもらってモン族シルバーが出来上がるまでを見学させてもらっていた。
チェンコンというのは、メコン川沿いの北タイの町で、その対岸はラオス。
本当に目と鼻の先なのだ。
ラオスからこのメコンを渡って密入国する人たちも多いそうだ。
このモンの村は、本当に村というのにふさわしい所だ。
道路はぜんぜん舗装されてなくて、鶏も優雅に放し飼いで、木陰では、まだ年若い母親が青モン族の民族衣装の胸元をはだいて、幼い我が子に乳を飲ませていた。
彼らからすれば、初めて見る外国人に違いない私たち夫婦の前で、恥じらいもなく乳をさらけ出し地べたに座り込んでいた。
さすがモン族、絶対最近風呂に入ってないどころか水浴びもしてないだろうという汚れ加減だった。
彼女だけじゃなく村人全体がそんな感じだった。
でも、ここにも人の暮らしがあるんだなぁ〜なんて、ちょっと感動していた矢先、どこからともなくタイの軍隊のトラックが埃を舞いあげてやって来た。
荷台には10人くらいの兵隊さんが乗っていた。
アーミーで小銃掲げてるから兵隊さんだってことはすぐに認識できた。
「ここら辺りはボーダーライン(国境)だから、密入国の見回りだと思うよ。」と私たちに友人が耳打ちした。
「へぇ〜そう〜、お勤めご苦労さんだね。」と悠長に構えていた私たちに、荷台の小銃が一斉に向けられた。
リーダーが立って「どこから来た?ラオスだろ?密入国だろ?」と私たちに叫んだ。
「え〜〜!なんですとぉ〜〜???」
言い返してやりたい気持ちは山々だけど、こんなところで蜂の巣にされてのたれ死ぬわけにはいかないので、私は両手を挙げて「イープン!イープン!チャンペンコンイープンカッ!」と大声で答えた。
タイ語は不得意な旦那さんも状況はよく把握できたようで、彼も両手を挙げて「ジャパニーズ!ジャパニーズ!アイアムジャパニーズ!ウィアージャパニーズ!」と必死に英語で答えていた。
友人は血相を変えて、「彼らは私の日本の友達で密入国者じゃない。ここには仕事でやって来た。ちゃんとパスポートも持っているから確認してください。」とリーダーに言ってくれた。
じゃあパスポートを見せろということになって、初めて手を下ろすことができ、急いでリュックの中からパスポートを取り出した。
シゲシゲとマジマジと確認してトラック部隊は去って行った。
驚いたのと怖かったのとで、その時はとりあえず疑いが晴れてほっとして宿に戻った。
しかし、落ち着いてくると釈然としない。
あたくしのどこがラオス人に見えて?
ましてや密入国だなんてどうよ?
旦那さんも同じように思っていたらく、お互いを見た。
もしかしたら見えちゃったかも。。。
情けないが、その時の私たちは珍しく長旅で、ヨレヨレの格好に日焼けバンバン、旦那さんはヒゲが伸び放題、お互いに怪しさ倍増だった。
でも、さすがにラオスの密入国者に間違えられたのは後にも先にもこの時だけだ。
ちなみに私の旦那さんは、中国人かフィリピン人に見えるらしく日本人だと言うと驚かれることが多い。
ナショナリティがジャパニーズというのは、海外に行くと、とても恵まれた状況なのだと再認識する。
世界一、安全で清潔な国だと思う。
国内のどんな僻地に行っても普通の暮らしが保たれているのだから、日本は。
0 件のコメント:
コメントを投稿