2006/10/31

21. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその2

やっと微笑んでくれたおっさんから手渡されたチケットを見て、思わずほくそ笑んだ。
微笑み返しとはこのことぞ・・・だな。

金曜の16時30分発の寝台電車でバンコク到着予定は6時15分とある。
そんなに早うにバンコク着いてどないしょっちゅーねん!
しかも帰りはその日の19時35分発ときたもんだ!
観光じゃないのよ、バックパッカーでもないのさ、いちおう仕事なんだぜ、ワシはさぁ。。。。。
しかし、それしか空いてないのなら仕方ない。
やれる範囲でこなすしかなかんべや。
こんな潔さが自分でも好きだ。

渋々でギリギリの時間調整の末、手にしたチケットだ。
ほくそ笑まねばならんでしょ。
しかも、こんなユルい感じのチケットだ。
下がチケットで上はチケット入れだ。
ちゃんとチェンマイレイルウェイズのマーク入りだ。
タイスキ屋の広告も素敵だ。
協賛してるんだろうな。。。
チケットの横についている「HEY、YO!」といきたかったんだろうが、彼の人の良さがにじみ出てしまったのが残念だ。
でも、イイ!!!
こういうところにタイを感じる。

私の席は寝台の上のベッド。
エアコンは付いているけど超特急でもないので、片道771バーツなり。
下のベッドは50〜100バーツほど高いそうだ。
もっと超特急は私の倍値近くするそうだ。
懐の寒い私には丁度良かったんだよ、きっとね。

その場で撮影するほど心に余裕がなかった私だ。
帰国してからの画像なので、ヨレヨレしてるのはお許しいただきたい。
上下合わせて往復切符だ。
決して私が落書きしたのではない。
発車して間もなくすると車掌さんと鉄道お巡りさんがグループでやって来て、座席とチケットのチェックをしたのだ。
赤いボールペンでピッって。
そして、穴あきパンチで一つ穴をあけるとチェック済みの印になる。
彼らは彼らで座席名簿票みたいなものをバインダーにはさんで持ち歩き、そちらも赤いボールペンでピッっとチェックする。
それが仕事だ。
チケットはオンラインで購入できるというのに、ここはとても人間的な仕事だ。
しかも、一人で十分やろっ?とツッコまずにはいられない仲良し作業だ。
しかし、きちんとした仕事っぷりに拙者感服したでござるよ。

話が時間軸を逸れてしまったが、私の電車は16時30分発なのでアヌサンからトゥクトゥクに乗ったのが16時丁度。
10分弱で駅に着き、まずはトイレに行って歯磨きと洗面をすませる。
長いもんよ〜今からが。
寝るんだぜぇ、、、電車で、、、(--;)
駅のトイレはタダじゃない。
2バーツなくちゃ入れない。
私は使わなかったけど、シャワールームもあるようでこちらは5バーツらしい。
いつかは、本物の世界の車窓から〜タイを敢行しようと、なぜか強く決意してしまった。
この電車に乗った。
しかし、時刻が違う。
実はこれは2月に撮った写真だ。
季節と曜日によって、多少時刻が変わるらしい。
でも、どう見ても看板は使い回しのようだ。
前のを消した跡が素敵だな。




チェンマイの駅はとても綺麗だ。
ホームは3つのようだった。
一応駅内禁煙のようだが、知ったこっちゃない人も多い。
キヨスクのようなお店が構内にあるのは嬉しい。
でも、やはりこういう所のこういう値段。
街で買うよりちょっと高い。
しまったな、セブンイレブンで買っとけばよかった・・・と軽く後悔しながらも、20バーツの差くらいは太っ腹な私だ。
チェンマイキヨスク(勝手にキヨスクだ)で、水とコレを買った。
シンハーより好きなんだな、チャンビア♪*^_^*

2006/10/25

20. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその1

2006年10月12日木曜日。
私は一人チェンマイにいた。
何ぞないか?とチェンマイの町をぐるぐる徘徊しながら思いついた。
そうだ、バンコク行こう!

そんな突然の決断は、私にとって珍しいことでも何でもない。
今まで何度同じように思い、バンコクまで飛んだかわかりゃしない。
そう飛んでったのさ、飛行機で。
でも、今回は違う。
まるで昔のJRの宣伝のように「そうだ、京都行こう!」じゃなくって「そうだ、バンコク行こう!」なのだ。
よって、今回の足は電車に決定。
電車以外思い浮かばないほど電車で行こうと強く思った。
思いの裏には持ち金が少ないという理由が大きかった。
北朝鮮が核実験をしたせいか、今年最安値の円安。
日本にいれば、へぇ〜ですんでしまうことだが、ここにいると、そういう経済の動きが次の行動を大きく左右させる。
それでなくても、円安バーツ高の進む昨今。
輸入業者は絶対儲からんよ。絶対ね。

思いついたら行動に移すまでの早さは誰にも負けないワシは、トゥクトゥクを停めて「チェンマイレイルウェイステーションまでかっとんでくれ。」と頼んだ。
レイルウェイステーションと言ったのにトゥクトゥクの兄ちゃんはわかってくれない。
「トレインだ、トレイン!バスじゃないよ!」
ようやく理解してくれたところで、値段交渉。
ほんとは40バーツで行ってほしいと思ったが、相手は60と言ってくる。
チケットの予約もせにゃあかんので、1秒でも早く駅に行きたいワシは「OK、50バーツだ。」と少しの値切りで手を打った。
夕刻のチェンマイは、日本ほどではないがオフィス勤めの帰宅ラッシュなのかナイトバザールの通勤ラッシュなのか道が込み合う時間だった。


チェンマイの駅はとっても綺麗。
ワシは一番左側の窓口でチケットを予約した。
が、これがまた問題あり。
ワシは土曜の一日をバンコクで過ごせればそれでよいのだ。
なので、金曜の最終の最速エクスプレスに乗って、土曜の最終のエクスプレスで帰って来たいのだと、下手くそなタイ語と英語をチャンポンで窓口のおっさんに申し出た。
おっさんはタイ人には珍しく、笑顔の一つも作ってくれやしない。
まずは、バンコク行きの空席をチェック。
「NO!」その電車の空席はありませんという意味をたった一言の英語で片付けおったな。
しかも、ワシは窓口から身を乗り出すように聞いておるというのに、おっさんはわざわざマイクに向かって返答をする。
おぬし、なかなかいいキャラしとるやないけ!
ワシはもうこの時点で、このおっさんの笑顔が見たくてしょうがなくなってきたが、まずはチケットが先だ。
電車がなければ飛行機にするしかないんだもんね。
「え〜、ないのかよぉ!!ほいじゃ次のだ、次。ネクストだ、ネクスト!」 
おっさんの端末パソコンを覗くように、「ほいじゃ、これは?」「ほいじゃ、あれは?」と勝手のいい注文をしまくった。
そのたびにおっさんは、空いていれば「YES」空いていなければ「NO」の一言だけの英語を必ずマイクを通して返答する。
要領が悪いっつーの?機転がきかないっつーの?気がきかないっつーの?ワシが苦手なの?
まぁ、要するに生真面目なんだな、きっとな。。。(--;)

わけのわからん日本人のおばちゃんが、またわけのわからんわがままな注文をつける。
窓口のおっさんにとっては、今日一番のやっかいな客だったに違いない。
すったもんだの押し問答の結果、ワシはようやくチェンマイ〜バンコクの往復切符を手にすることができた。
お代を支払ってチケットを受け取る時、初めておっさんはマイクを使わずタイ語で「グッドラック。ごきげんよう。」に相当する言葉とわずかな笑みを送ってくれた。
やったね!(^^)v

2006/10/03

19. 水

生水は飲まないように氷にも注意しましょう。

海外へ行く人への注意要項というのは腐るほどあるが、上記ほど絶対頼むぞ!と強くお願いされた使命感を覚える項目はないだろうし、これを守らない日本人もおそらくいないだろう。

私は日頃、水を水として飲む習慣がない。
お茶だったり、コーヒーだったり、水分を摂ることはあっても水を飲むことはまずない。
おまけに健康志向が強い方でもないので、「おいしい水」とか「天然水」などという類を買ってまで飲むことはない。
水道の蛇口をひねって出てくる水で十分こと足りるのだ。
ありがたいことに、私の住む地域の水とういうか水質管理は優秀だと思う。
カルキ臭くもないし不味くもない。
普通に水が出てくる。
体にいいからと、ペットボトルの水を買ったり、わざわざ水を取り寄せたりする人も多いと思うが、私の中ではそっちの方が衛生的に疑問符が立つ。
どんなに天然水のおいしい水を詰めても、工場で作られることに変わりないわけだし、水とて生ものゆえ、フレッシュなのがいいに決まっている。
おいしい湧き水をわざわざ遠くまで汲みに行く人もいるが、はたしてそれはいつまでフレッシュなのかわからないし、その詰めた容器は安全なのかと不思議に思う。
新鮮で安全な水を供給してくれる日本に住んでいながら水道水を嫌うのは、私から見れば、先進国の傲慢さと企業と健康関連業者の策略にまんまとはまった長寿思想にしか見えない。

デトックス効果があるから水を1日2リットルくらい飲めという人もおるが、「水ばっかりそんなに飲めるかよ!」と突っ込む人は私だけだろうか?
人が生きていく上で空気と水はなくてはならないものだ。
だからと言って、酸素ばっかり求めるのも水を水としてばっかり飲むのも、偏っちゃないだろうか?
空気の中の酸素を吸えばよいのであって、普通に暮らしてるのなら濃酸素を体に与えることもなかろうに。
水分を摂ればよいのであって、水ばっかり飲むこともなかろうに。
それが商品として売り出され、手軽に購入できる裏側にあるのは、どっかの誰かが儲けてるんだなぁとコマーシャリズムと経済活動の因果関係だけのような気がする。

そういうこっちゃないだろう?
本当にフレッシュな空気とからだにいい水を求めるならば、この地球環境から考えるのが日本をはじめ先進国の努めだと思う。
病原菌も何もない水を水道水として国のすみずみまで供給できるのに、わざわざ容器に入った水を買い、その容器のリサイクル循環のまずさによって、またどこかが埋め立てられたり燃やすことによって空気を害している始末。
健康のため健康のためと言いながら使い捨て容器のサプリメントを常用し、ジムやヨガに行くのも排気ガスを噴かせ、汗をかいたあとに新鮮な酸素を買ってまで吸う。
何かがどこか間違っちゃないだろうか?

こんな私でもアジアの国にいるときは水を買う。
ペットボトルの水を買う。
コーヒーやジュースより、汗をかいた体は冷たい水を欲しがるのだ。
買った水や仕事先でいただいたペットボトルの水をひとくち飲むたびに、日本の水道水のありがたみが身にしみる。
諸外国にも水道はある。
シャワーの水は出る。
でも、申し訳ないが無味無臭ではない。
とても湯船にためて風呂に入ろうという気にはなれない。
絶対飲んだらあかんやろっ!
アホな私でも察しが付くほど、飲める水ではない。
安全衛生国日本で生まれ育った我々の目に、その水は病原菌の塊のように映る。
そんな水でも水道水を飲める人はまだ良い。
まだ良いんだよね。
水道のないところに井戸を掘り、その地に住む人にフレッシュな水を供給する活動をしている団体も多い。
井戸を掘れば永久に水が出てくるわけでもないし、その水が何物にも汚染されないとは限らない。
井戸を掘ったならその管理も必要となる。
何でもそうだよね。
そこの土地の人が気の毒だからと作ったり与えたりするのは、少しの優しさを集めればできる。
井戸でも学校でも病院でも。
問題は、それがず〜っと機能していくことなんだよね。

その国の経済力を水道水とペットボトルの品質で察知できるようになってしまった私だ。