足もみマッサージと足ツボマッサージは、私の中では、似て異なるものである。
前者は俗にいうタイ式、後者は台湾式と私の中では位置づけられている。
アジアの街角では、バリバリ日本人をターゲットにているのが丸判りで恥ずかしくなるくらい、思いっきり日本語のマッサージメニュー看板を見かける。
ツーリストの多いところでは、探さなくても目に飛び込んでくる。
日頃ウォーキングで鍛えているとはいえ、歩き慣れない道や旅の疲れが、マッサージ=気持ちいい〜と頭の中で勝手に図式され、ドアの前に立つ人は少なくないだろう。
メニューコースも足・肩・腰・全身、アロマ・タイ古式なんて、いくつかあって、時間と料金が表示されている。
ほとんどの人は、ま、話のタネ程度に30分〜1時間くらいのフットマッサージをセレクトすると思う。
まずは、靴・靴下を脱いで、桶や洗面器にためたお湯(ハーブや薬草が入っていたりする)に足をひたして、マッサージをしてくれる人が指の股まできれいに洗ってくれる。
もうこの時点で、気持ちは天国への階段を上っている。
よそ様に自分の汚い足を洗ってもらうだけで、申し訳ない思いと、殿様気分が交錯するものだ。
次は、お店によって多少違うが、だいたい、あと回しの方の片足に先にタイガーバームみたいなものを擦り込んで、タオルでぐるぐる巻きにしてねかせる
これが、足を洗ってもらうより更に気持ちいい。
あと回しの方でも、これほど気持ちよいのだから、スタンバッている方に期待が膨らむ。
ところが・・・・、ここから先、足もみと足ツボで天国と地獄ほど差が出るのだ。
足もみは本当に気持ちいい。
よだれ垂らして寝こけてしまうくらい気持ちいい。
リンパにそって、つぼをおさえて、時々お箸のようなスティックをつかって攻めてくるのだが、この刺激が非常に心地よい。
最後は両足の付け根のリンパまで重みをかけて、血の流れをよくしてくれる。
さすが、タイ古式マッサージの伝統はすばらしい。
さて、足ツボだった場合、店の人が足ツボマップの絵を用意してくれる。
それには、ツボ位置に番号がふられ、その番号の効く場所や弱っている場所なんかの説明書きがのっている。
ふ〜ん、と思って見ていると、急に悲鳴をあげるほどの痛みが襲ってくる。
「イッテェ〜イテイテ、イッテェ〜!!」と声を上げ、先ほどもらった絵で痛い場所を確認することを自分に言い聞かせるためか「どこが痛いんだよ〜?!」なんて大きな独り言を漏らしたりすると、マッサージ師がにやりと笑って、日本語で「肩。」と冷静に答えてくれる。
足ツボは弱っている場所のツボを押さえられると激痛が走るほど痛い。
でも、そのかわり、どこも悪くなければ、痛くなくて気持ちいいらしい。
らしい・・・と言うのは、あいにく私は痛いところだらけのため、足ツボで夢見心地体験をしたことないからだ。
「イッテェ〜!」 「目」
「イッテェ〜!」 「肩」
「イッテェ〜!」 「首」
「イッテェ〜!」 「気管支」
「イッテェ〜!」 「腰」
「イッテェ〜!」 「股関節」
「イッテェ〜!」 「膝」
少なくともこの7ツボは常時アカンのだ。
ときには、「子宮」とか「卵巣」とか「前頭葉」とか答えられ、うさんくささ倍増でマッサージ師がただのサディストに見えてくることもある。
しかし、足ツボは後で効く。
体が軽くなったと感じる時間が長い。
う〜ん、おそるべし、中国4000年の歴史。
ただ、店構えだけで、そこが足もみなのか足ツボなのかはっきり区別することができないお店が多い。
どっちにしても期待倒れだったりすることはよくある。
ま、そういうときは「マイペンライ」と笑って許してあげよう。
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