2006/09/08

13. 停電〜ラオスの場合

またまたラオスの話。

メコン川の豊かな流れを利用して、ラオスは水力発電所を作った。
では、さぞかし人々の暮らしは便利になったことだろうと普通は思う。
ラオスはこの電力を隣国タイに売って外貨を獲得するのだ。
でも、自国にも十分供給した上でのことだろうと普通は思う。

しかし、違うのだ。
人々は電気がなくてもさほど不便を感じない生活をしている。

ルアンパバンと言えば、ビエンチャンに続く都市であり、都市全体が世界遺産に認定されている所だ。
たくさんのツーリストたちがラオスに来たら必ず訪れる所だ。
日本で言うと、そう、京都と同じような存在だ。
私はルアンパバンで5日スティしたが、丸2日は停電だった。
インターネットカフェも電気がこないから休業していた。
ミックスジュースを飲もうとしても、ジューサーが動かないから、コーラかコーヒーにしてくれと頼まれた。
電気がこないから、ちゃんとしたホテルに泊まってもボイラーが作動しないので水しか出なかった。
でも、こういうもんだ、と誰も文句を言わない。
そうだよ、ラオスはこういう所だもん。

電気がきてても、夜は懐中電灯がないと歩けない。
ラオス織りやらモン族の布やらが売られるナイトマーケットは、地べたに布を敷けばそこがお店になる。
店前の電灯はリールでつながっていて、停電になると、店先にろうそくを置いて商売をする。
布やら紙やらを売っているのに、ろうそくでいいんかい?と不安になるが、ここには火災法・防災法などないのだ。

停電は当たり前なのだ。
よくあることなのだ。
発電所で電気は作っても、それはタイへ輸出するものであって、人々の生活を潤すためのものではないようだ。
それでもいいのだ。
誰も文句は言わない。

ちなみに、停電ばかりのせいかルアンパバンの空港には管制塔がない。
チェッキングカウンターのコンピューターも当てにならないので、手書きのチケットが主流だ。
荷物チェックのX線も自家発電の電気がくるまで作動中止のこともある。
でも、誰も文句は言わない。
そんなことくらいで文句を言う必要はない。
電気がなきゃないように事は運ぶ。

そうだよね、電気がなくても人は生きていける。

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