2006/10/03

19. 水

生水は飲まないように氷にも注意しましょう。

海外へ行く人への注意要項というのは腐るほどあるが、上記ほど絶対頼むぞ!と強くお願いされた使命感を覚える項目はないだろうし、これを守らない日本人もおそらくいないだろう。

私は日頃、水を水として飲む習慣がない。
お茶だったり、コーヒーだったり、水分を摂ることはあっても水を飲むことはまずない。
おまけに健康志向が強い方でもないので、「おいしい水」とか「天然水」などという類を買ってまで飲むことはない。
水道の蛇口をひねって出てくる水で十分こと足りるのだ。
ありがたいことに、私の住む地域の水とういうか水質管理は優秀だと思う。
カルキ臭くもないし不味くもない。
普通に水が出てくる。
体にいいからと、ペットボトルの水を買ったり、わざわざ水を取り寄せたりする人も多いと思うが、私の中ではそっちの方が衛生的に疑問符が立つ。
どんなに天然水のおいしい水を詰めても、工場で作られることに変わりないわけだし、水とて生ものゆえ、フレッシュなのがいいに決まっている。
おいしい湧き水をわざわざ遠くまで汲みに行く人もいるが、はたしてそれはいつまでフレッシュなのかわからないし、その詰めた容器は安全なのかと不思議に思う。
新鮮で安全な水を供給してくれる日本に住んでいながら水道水を嫌うのは、私から見れば、先進国の傲慢さと企業と健康関連業者の策略にまんまとはまった長寿思想にしか見えない。

デトックス効果があるから水を1日2リットルくらい飲めという人もおるが、「水ばっかりそんなに飲めるかよ!」と突っ込む人は私だけだろうか?
人が生きていく上で空気と水はなくてはならないものだ。
だからと言って、酸素ばっかり求めるのも水を水としてばっかり飲むのも、偏っちゃないだろうか?
空気の中の酸素を吸えばよいのであって、普通に暮らしてるのなら濃酸素を体に与えることもなかろうに。
水分を摂ればよいのであって、水ばっかり飲むこともなかろうに。
それが商品として売り出され、手軽に購入できる裏側にあるのは、どっかの誰かが儲けてるんだなぁとコマーシャリズムと経済活動の因果関係だけのような気がする。

そういうこっちゃないだろう?
本当にフレッシュな空気とからだにいい水を求めるならば、この地球環境から考えるのが日本をはじめ先進国の努めだと思う。
病原菌も何もない水を水道水として国のすみずみまで供給できるのに、わざわざ容器に入った水を買い、その容器のリサイクル循環のまずさによって、またどこかが埋め立てられたり燃やすことによって空気を害している始末。
健康のため健康のためと言いながら使い捨て容器のサプリメントを常用し、ジムやヨガに行くのも排気ガスを噴かせ、汗をかいたあとに新鮮な酸素を買ってまで吸う。
何かがどこか間違っちゃないだろうか?

こんな私でもアジアの国にいるときは水を買う。
ペットボトルの水を買う。
コーヒーやジュースより、汗をかいた体は冷たい水を欲しがるのだ。
買った水や仕事先でいただいたペットボトルの水をひとくち飲むたびに、日本の水道水のありがたみが身にしみる。
諸外国にも水道はある。
シャワーの水は出る。
でも、申し訳ないが無味無臭ではない。
とても湯船にためて風呂に入ろうという気にはなれない。
絶対飲んだらあかんやろっ!
アホな私でも察しが付くほど、飲める水ではない。
安全衛生国日本で生まれ育った我々の目に、その水は病原菌の塊のように映る。
そんな水でも水道水を飲める人はまだ良い。
まだ良いんだよね。
水道のないところに井戸を掘り、その地に住む人にフレッシュな水を供給する活動をしている団体も多い。
井戸を掘れば永久に水が出てくるわけでもないし、その水が何物にも汚染されないとは限らない。
井戸を掘ったならその管理も必要となる。
何でもそうだよね。
そこの土地の人が気の毒だからと作ったり与えたりするのは、少しの優しさを集めればできる。
井戸でも学校でも病院でも。
問題は、それがず〜っと機能していくことなんだよね。

その国の経済力を水道水とペットボトルの品質で察知できるようになってしまった私だ。

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