2006/10/25

20. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその1

2006年10月12日木曜日。
私は一人チェンマイにいた。
何ぞないか?とチェンマイの町をぐるぐる徘徊しながら思いついた。
そうだ、バンコク行こう!

そんな突然の決断は、私にとって珍しいことでも何でもない。
今まで何度同じように思い、バンコクまで飛んだかわかりゃしない。
そう飛んでったのさ、飛行機で。
でも、今回は違う。
まるで昔のJRの宣伝のように「そうだ、京都行こう!」じゃなくって「そうだ、バンコク行こう!」なのだ。
よって、今回の足は電車に決定。
電車以外思い浮かばないほど電車で行こうと強く思った。
思いの裏には持ち金が少ないという理由が大きかった。
北朝鮮が核実験をしたせいか、今年最安値の円安。
日本にいれば、へぇ〜ですんでしまうことだが、ここにいると、そういう経済の動きが次の行動を大きく左右させる。
それでなくても、円安バーツ高の進む昨今。
輸入業者は絶対儲からんよ。絶対ね。

思いついたら行動に移すまでの早さは誰にも負けないワシは、トゥクトゥクを停めて「チェンマイレイルウェイステーションまでかっとんでくれ。」と頼んだ。
レイルウェイステーションと言ったのにトゥクトゥクの兄ちゃんはわかってくれない。
「トレインだ、トレイン!バスじゃないよ!」
ようやく理解してくれたところで、値段交渉。
ほんとは40バーツで行ってほしいと思ったが、相手は60と言ってくる。
チケットの予約もせにゃあかんので、1秒でも早く駅に行きたいワシは「OK、50バーツだ。」と少しの値切りで手を打った。
夕刻のチェンマイは、日本ほどではないがオフィス勤めの帰宅ラッシュなのかナイトバザールの通勤ラッシュなのか道が込み合う時間だった。


チェンマイの駅はとっても綺麗。
ワシは一番左側の窓口でチケットを予約した。
が、これがまた問題あり。
ワシは土曜の一日をバンコクで過ごせればそれでよいのだ。
なので、金曜の最終の最速エクスプレスに乗って、土曜の最終のエクスプレスで帰って来たいのだと、下手くそなタイ語と英語をチャンポンで窓口のおっさんに申し出た。
おっさんはタイ人には珍しく、笑顔の一つも作ってくれやしない。
まずは、バンコク行きの空席をチェック。
「NO!」その電車の空席はありませんという意味をたった一言の英語で片付けおったな。
しかも、ワシは窓口から身を乗り出すように聞いておるというのに、おっさんはわざわざマイクに向かって返答をする。
おぬし、なかなかいいキャラしとるやないけ!
ワシはもうこの時点で、このおっさんの笑顔が見たくてしょうがなくなってきたが、まずはチケットが先だ。
電車がなければ飛行機にするしかないんだもんね。
「え〜、ないのかよぉ!!ほいじゃ次のだ、次。ネクストだ、ネクスト!」 
おっさんの端末パソコンを覗くように、「ほいじゃ、これは?」「ほいじゃ、あれは?」と勝手のいい注文をしまくった。
そのたびにおっさんは、空いていれば「YES」空いていなければ「NO」の一言だけの英語を必ずマイクを通して返答する。
要領が悪いっつーの?機転がきかないっつーの?気がきかないっつーの?ワシが苦手なの?
まぁ、要するに生真面目なんだな、きっとな。。。(--;)

わけのわからん日本人のおばちゃんが、またわけのわからんわがままな注文をつける。
窓口のおっさんにとっては、今日一番のやっかいな客だったに違いない。
すったもんだの押し問答の結果、ワシはようやくチェンマイ〜バンコクの往復切符を手にすることができた。
お代を支払ってチケットを受け取る時、初めておっさんはマイクを使わずタイ語で「グッドラック。ごきげんよう。」に相当する言葉とわずかな笑みを送ってくれた。
やったね!(^^)v

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