2006/11/04

23. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその4

少し賑やかな通りが見え、ちょっとした村なんだなと思わせる。
電車は停まった。
え、駅?ここ?
びっくりしたけど、駅のホーム内だ。
キヨスク以外に食堂屋台まであるじゃないのさ!
きっと大きな町か駅なんだろう。
また賑やかな一団が乗り込んできた。
こういうツアーは日本人だけと思っていたが、旗を持ったタイ人のおじさんを先頭に大きな欧米人のグループが大きな声で話しながら楽しそうにやって来た。

どうやらフランス人のグループらしい。
鼻からぬける音と喉をつまらせるような音がフランス語の特徴のように思うワシだ。
旗持ちのタイ人のおじさんもフランス語でガイドをしている。
すごいね、フランス語って、あんた、スゴイね!
10人ほどのグループで添乗員をまるまるつけて電車の旅となると、お一人様おいくらユーロなのだろうか?

座席についていきなりお食事タイムのようだ。
蚊のなくようなささやき声のタイ語にまじり、陽気なフランス語も飛び交う車内。
一人旅の孤独が紛れると同時に、一人旅の寂しさが交錯する瞬間だ。
トイレで洗面をすませ、少し本を読んでもう眠ることにした。

翌朝、早くに目が覚めて食堂車に行った。
昨夜の喧噪が嘘のように静かだった。
車内で働く人たちも少しだけくつろいでいた。

コーヒーをオーダーした。
今度は座って飲むことにしよう。
朝焼けが見える窓辺に座った。
車掌さんもコーヒーを持ってワシの前に座った。

調子はどう?
よく眠れた?
どこまで行くの?

タイの人はこういうところが優しいなっていつも思う。

よくは眠れないけど大丈夫です。
とても楽しんでいますよ。
バンコク駅まで行きます。
今日はJJマーケットに早めに行って、その後違うところも回って、今日の午後7時半のエキスプレスでまたチェンマイに戻るんですよ。
バカでしょ?(^g^)

ほんとにー???
そんなにショートステイなの?
バカだねぇ〜♪(^▽^ケケケ

そんな楽しい朝のひととき。
青暗い空がオレンジの朝焼けに変わりだした。
太陽がすべてを照らし始めるとジリジリした白っぽい光に包まれていく。
座席に戻るとホリエモンも起きていた。
車掌さんを呼んで、ベッドを座席に戻してもらった。
人としての不義理はしちゃいけねぇというのがワシのポリシーなので、ホリエモンにお礼を申し上げるのは当たり前のことだ。
 いろいろありがとう。
 お世話になりました。
 楽しかったです。

いえいえ、こちらこそ。
Have a nice trip♪(^_^)ノ""""

ホリエモンは空港駅より少し手前で降りた。

一人になったワシを気遣って、食堂車で会った車掌さんが前に座って話しかけてくれる。

バンコク駅はあと2つ先だよ。
間違えて降りちゃだめだよ。
JJマーケットに行くなら、バスストップに並ぶといいよ。
改札出て右側に行くんだよ。
また会えるといいね♪

アホなワシに適切なアドバイスを本当にどうもありがとうございます。(; ;)

他人に優しいのはやっぱりブッディストだからでせうか?
人を欺いたり嘘ついたりする人もいるけど、ワシが出会うタイの人はほとんどが優しい。
日本じゃ電車の隣の人に話しかけることもないだろうし、こちらから尋ねてもこげんに親切に教えてくれるじゃろか?
ワシが日本人として恥ずかしく思うポイントの一つである。

駅に到着した。
大きな駅だ。
プラットフォームもちゃんとある。
改札を抜けて右に行くのね・・・・と、その前に腹減った。
左にあるトイレで洗面して、人のいない正面ホールの左側のクーポン食堂でクィッティオを食べた。

どこで食ってもそれなりでハズレがないのがクィッティオだと思う。
いつものお好みの味付けで持っていこうとしたら、ぜんぜん知らないおばちゃんに、コレを入れるともっと美味いから入れなさい!と言われた。

 ほぉ〜〜〜。∠(@O@) ビシッ!

ワシは頑固だけど、食には寛大で探求心がわく。
こういうローカルなアドバイスはとっても嬉しい。
ほんでもって、ほとんどの場合が本当に美味いのだ。

 おぉ!チャイ。アロ〜イ、マークマーク♪(^^)v

おばちゃんも嬉しそうに微笑んで去って行った。

時刻は朝の7時15分くらい。
バスに乗るにもちと早い。
ぶらぶらしていたら、けったいなおっさんに捕まった。
ワシも時間潰しにおっさんの話に乗ることにした。
話ながら、もしかしたらおっさんは乞食稼業なのかもしれないと思った。
かかとのひび割れ方が尋常じゃないし、身なりもちょっとホームレスっぽい。
それとなく仕事は何?と聞いてみた。
今は無職らしい。
でも物乞いではないそうだ。
仕事を探しに友達と会う約束をしているのでここにいると言っている。
そうだよね、英語も話せるしね。
ごめんね、おっさん、物乞い稼業だと勘違いしちゃって。
今は仕事がないが、おっさんはいろんなことをよく知っている。
外国のこともよく知っている。
おもしろいおっさんだ。

ワシとおっさんの所に今度はTUKTUKの兄さんが交じってきた。
朝も早いし、ちょっとのんびりモードだ。

おっさん達と小1時間ほど駄話しを楽しんでワシはバスに乗った。
どこまで行っても7バーツの窓全開バスに揺られること40分でJJマーケットに着いた。
よくよく考えてみよう。
ワシは一人旅を楽しむバックパッカーではないのだ。
仕事せんとあかんのよ、仕事をね。

バンコクを彷徨き回り、発車時刻に間に合うように駅に着いた。

これが朝と同じ駅かと思うほど人があふれかえっていてびっくりした。
なんでみんな地べたに普通に座ってんだろうね。
ユルイ感がたまらんくいいね♪

チェンマイ行きのエクスプレスに乗った。
車掌さんは行きと違ったけど、食堂車の面々は同じだった。
くわえタバコの無愛想なネエサン方もワシを覚えてくれていたようだ。
ちょっとだけ微笑んでくれた。
でもすぐに愛想なしの仕事に戻った。
笑顔が素敵な人もいれば、眉間にシワを寄せた無愛想な顔が素敵に見える人もおるんだよなぁ。
コーヒーを飲みながら思った。
人間っちゃ〜おもろいわぁ♪

また機会があったら電車旅をしよう。

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