2007/08/31

26. 郷に入れば郷に従ってみた。

これな〜んだ?
2007年、微笑みの国タイランドで爆発的ヒットアイティムです。
街中どこでも売っている。
中味だけを売っているところもあれば、ケースだけを置いているところもある。
カタログもあって、TUKTUKの兄さん達が客引きも忘れて熱心に見ていたりする。
あれがいい、これが欲しいと、数人集まって熱心に議論してたりする。

いい大人が何やってんだか・・・(--;)
最初はそう思っていた。
しかしタイへ行くたびに気になって気になって、私はついに自分用を購入してしまったバカだ。
なんでも納得せんと金は出さん私ゆえ、これが一体どんな代物なのかをリサーチするのにちょっと苦戦した。
聞く人によって違うこと言うのは、古今東西よくあることだ。
ましてやヒットアイティムで、老いも若きも男も女も、みんなが首から下げてるものだから、それが一体何なのか、どんな効能があるのか、噂が噂を呼んで真相を探るのは容易ではない。

ホントかどうかわからないが、リサーチの結果を総合すると・・・・

《数年前、タイの南の方(スラタニ辺り)のお寺に一人の坊さんがいた。
この坊さんは小乗仏教徒というよりヒンズー寄りの教えを実践していたそうだ。
ヒンズー教徒の人たちが持っているグッズも作った。
それがこの真ん中に入っている粘土で固めた信仰グッズだ。
人々がよい方向に導かれることを願って、そこのお寺で販売活動をしていた。
とても人々のために尽くしたらしい。
貧しい人を助けるのはもちろん、村の人々のためにグッズ販売やドネーションで得たお金を有効に使って力を尽くした立派な坊さんだった。
数年たち、坊さんが亡くなった。
坊さんの偉業に感謝して、村人達は棺桶に入った遺体の前で記念写真を撮った。
すると、どうだ!
坊さんの優しい笑顔が光の輪の中に現れたそうだ。
その後、遺体の前じゃなくとも、坊さんと親交のあった村人たちの写真には、満面の笑みの坊さんが写ることが多くなった。
その写真を持った人は、たいへんありがたがったそうだ。
そして、良いことがあったそうだ。
そんな噂が噂を呼び、坊さんを知らない人でも良いことを願う人が増えてきた。
坊さんの恩恵を受けるのに持ってこいのグッズがこれだ。
写真に光やスマイルが写らない人々にも、このペンダントを持っていれば良いことが起こると言われるようになった。》

らしいよ。。。

なんだよ、心霊写真かよ。。。(--;)
そういうのは宜保さんに祓ってもらうもんだぞ、日本では。
って私は思ったけどね。

このグッズは屋台でもタラートでもどこでも売ってるけど、お寺での販売活動はスゴイよ!
バンコクのヒンズー寺院の前では、スタッフの方々がおそろいのTシャツ着て予約受け付けているもん。
そうそう、これは予約販売でゲットするのが真にありがたいそうだ。
みんな予約を受け付けて、ワット・プラマハータート(ナコーンシータマラート県)に発注するそうだ。

ちなみに私は真夜中のルンピニで血迷ってゲットしたのだがな。
図柄はやっぱりガネーシャでしょ!
タイ人らしくゴージャスなバージョンだ。
紐も金々メッキの飾りもいかにもって感じがする。
どうせなので、両脇に下げる小さなガネーシャもゲットした。
金々メッキの飾りの中も教典らしきものを入れてみた。














表はガネーシャ、裏はビシュヌにしてみたアルヨ。

仏教国とはいえ、なぜにヒンズーの神様なんだ???と思っていた疑問は、真相を聞いて納得に変わった。
図柄はもっといっぱい種類がある。
中に金々貼り付けたのもあるし、カラフルに塗った物もある。
セラミックのものもあったりする。
図柄によって願いや効能も分かれていたりする。

あ〜、アメージングタイランドだね。

そそ、ちなみにこのグッズは《チャトカム》と言う。
私はタイにいるとき、いつも着けている。
ブームが去るまでは着けておいた方が何かと優遇されたりもする。
お寺にお参りも欠かさないし、タイ式でお祈りもするしおみくじも引く。
なかなか、私もアメージングな人材だ。
ある意味国際人か?
万国共通レベルでバカ度が高い自分を褒めてやろう。


おまけにバンコクのヒンズー寺院前での販売促進活動のレポート写真を載せておこう。




















イカシた兄さんだろっ?(o^^o)
調子イイ感じ漂うのですぐにタイ人だとわかりますね。
兄さんが着ているはスタッフTシャツだ。
ワシはそれが欲しいと言ったのだが、これはスタッフ限定なので売れないと言われた。
でも、チャトカムを予約しないかと勧誘された。
いやいやいや、、、結構よ、とお断りすると、ほいじゃ友達がやっているマッサージに行かないかと割引券をくれた。
そね、そういうところに国民性が表れるわね。
だから好きよ、タイランド♪

みなさん、幸せになりますように☆ミ

2007/06/27

25. 瞑想






瞑想できますか?









私は妄想は大の得意だが、瞑想は全然出来ない。
人間が腹黒い証拠だろう。

タイのお寺で、図らずも瞑想する機会を得た。
私はあぐらが組めない。
もうその時点で苦手意識の塊である。
それを理由に、「ワシはできましぇん」とカミングアウトしようとしたが、辺りを見回すと、足を崩しながらもじっと瞑想している方がおられる。
これは断りの理由にはならんようだ。
「彼女は瞑想できないし、足にハンディキャップがあるからちょっとだけにしようね。」と、珍しく旦那が友達に伝えた。

あんた、ワシをダシにしたね。
時間短縮を企んだね。

「そうね。じゃ30分だけね。」との返事に、旦那のシドロモドロの困り顔。
30分という時間は、彼女にとってはめちゃ短い単位なのだが、初心者の我々には長すぎる。
「う、うん、そうだね、、、だいたいそんなもんでね。」と、うろたえる旦那はブラッドピットと同年だったりする。(ついでに私もだけどな。)

私はホントに初心者なので隅っこに座った。
すでに老若男女が、組んだ足に白い布を垂らして真面目に深い瞑想に入っている。
私語はもちろん慎まねばならん。
ゆっくりと準備する振りをして、ちらちらと見回せば、都会のOLっぽい綺麗なオネエサンもお金持ちそうなオバサマも、黄色いポロシャツがなかなかイカしてる庶民派のおっちゃんもイケメンの兄さんもおる。

なんで瞑想なんかしとるの?

もうこの段階で、ワシはこの場にいる資格がない。
このクソ暑いバンコクの日中に、わざわざ寺参りして瞑想する意味がわからない。
隣で友達が瞑想に入った。
その向こうで、自称:仏(ホトケ)のマコちゃんもあぐらを組み目を閉じている。
心の中で、私みたいな者がこのような神聖な場所に入ってきちゃってごめんなさいと、お釈迦様に百万回謝ることにした。
そうしたにも関わらず、「暑いな」「静かだな」「みんな信心深いな」などと要らん妄想が走る。
なんでみんな信仰心があるんだろう?
何を真面目に瞑想してるんだろう?
何かとても困り事でもあるのだろうか?
瞑想すれば救われるというのだろうか?
慈悲の心って一体なんだろう?
私が今直面している大きな試練は、信仰心を持てば乗り越えられるのだろうか?
いろんな疑問が沸いてきた。
すでに心が騒ぎ出している。
もはやこれは瞑想とはほど遠い位置関係の妄想族の集会のようなもんだ。

やはり私は、とてもキャパの小さい人間だということが実感できた。
それが、そう、それだけが、私の瞑想の成果である。

「さ、これくらいにしない?」
一番に声を掛けたのは、やはり仏のマコちゃんだった。
まだ10分くらいしか立ってねぇじゃね〜か?
「アイコ、OK?」と友達は私を気遣って切り上げてくれた。
いや、今のはどう見ても旦那のマコちゃんのギブアップだと思うのだけれど。。。(--;)
ま、いいよ、そんなこたぁ別にいいけど、、、さぁ。。。
「キミは瞑想できたかい?」
ほらね、やっぱり得意げに聞いてきた。
そういう可愛いおっちゃんなんだよな、この人は。(--;)

いえ、ワシなんか全然出来ないっすけど、あんたはどうなん?

「僕はね、ほら、キミと違ってもうバッチリよ。(^^)v」

おいおい、どこがどうバッチリなんだかゆーてみろや。

「ほら、僕の心の中の菩提心ってゆーの?わかる?その慈悲の心の種が育つようにお釈迦様が僕に栄養となる甘露を注ぐワケよ。たくさんたくさん甘露が注がれて溢れる感じを観想するって感じかな。」

おめぇよぉ〜、それって護摩法要の時にチベットの坊さんが言ってた言葉そのまんまじゃねぇ〜かよっ。。。(--;)
ついでにそれは観想であって瞑想じゃねぇっつーの!

「キミの妄想より千倍マシだと思うけどね。」

どこへ行ってもアホアホ夫婦だな。
お互いロクに瞑想もできんくせに、こんなとこにノコノコは入りこんじまったってことか。。。
バチが当たらなきゃいいな。(>_<)

少なくとも1時間、時間があれば何時間でも瞑想するという友達に尋ねてみた。

ねぇ、どうして瞑想するの?

「心がリラックスするから。
 リラックスすれば、どんなことでも良い方に向くよ。
 心をリラックスさせないと、イケナイ人間になるよ。
 そんなんじゃ、グッドラックもやって来ないよ。」

うん、ちょっとだけわかる気がする。

でも、どうやって瞑想してるんだろう?
基本的なことが私はわかっていない。
何も考えないのが瞑想なのかと思うけど、そうでもないらしい。

「気」の勉強をしている人から聞いた話だが、間違えた方法で瞑想すると瞑想した気分になるだけで、それは「無」の境地ではなく「魔」の境地、すなわち「魔境」に入ってしまうらしい。
それはとても恐ろしいことなので、素人が瞑想まがいなことをするものではないと言ってた。
きちんと瞑想の方法を指導してもらうのがホントは良いそうだ。
私には、そういう師がいないので、今まで瞑想を試みたことがない。
(逆にそういう師がいるのも怖い話だ)

ブームのヨガに行っている人に瞑想もするの?と聞いたことがある。
その教室では、毎レッスンの最後に瞑想をするという。
何を瞑想するのかと問えば、今日1日のことを一つ一つ振りかえることだと言ってた。
それって瞑想?
回想じゃないの?
ま、お教室のヨガだとそんなもんなのかもしれない。
ヨガは喩我であり、その最高の修行は瞑想なのに、ブームに乗るのは美容体操もどきばかりだ。
本質を伝えると宗教がかってしまうので、そうなると敬遠されてしまう。
私の知っているヨガの先生達は、ちゃんと本質も勉強している人たちなので、この辺りの匙加減が難しく、健康体操でも良しと割り切って活動していると言ってた。
呼吸法の大切さを伝えるだけでも本質の一部に触れることにはなるのだから。

あぐらが組めないとか、時間がないとか、私は今まで逃げてばかりいた。
少しの時間でも心を落ち着かせる時間を持つことの大切さを身を持って知ったのだから、これからは正しい方法を勉強して実践してみようと思った。

そしてタイへ行くたびに、私はお寺に出向くことにしよう。
たとえ瞑想する時間がなくても、そこに行けばリラックスする。
人が本当に望んでいるものが何なのか、言葉にできない答えがそこにはある。
人の優しさやふれあいの大切さが、それを教えてくれることだろう。

2007/06/19

24. カラオケ

カラオケは好きですか?
ワシは嫌いじゃないけど、昭和の歌しか歌えないコンプレックスと時間がないという物理的問題において、あまりカラオケには行かない。
そう、日本ではの話し。

こんなワシでもチェンマイで2回、バンコクで2回、流れに乗ってカラオケに行ってしまった。
タイのカラオケにも数種類あることを知った。

まず、バンコクのショッピングセンターの隅においてあるカプセルカラオケ。
日本で言うと、ゲーセンにカラオケが置いてあるような感覚だ。
ショッピングのついでに楽しもうみたいな軽いノリだ。
カプセル型のもあれば、ちょっとした部屋構造になっているのもあるし、仕切りも何もないところでノリノリで歌っていたりするのもある。
これらはほとんどが防音効果がない。
外に丸聞こえだ。
学校の休みの時は小学生がお得意様のようで、小さなカプセルに4〜5人入りこんで興じている。
タイポップスに限らず、子ども達の間ではコリアポップスもメジャーなようだ。
韓流、恐るべし!

大きなカラオケボックスもタイにはある。
日本のものとよく似ている。
これらは主に若い子たちがお得意様のようだ。
タイの歌の他にも英語も日本語も中国語も韓国語も意外とヒットソングが満載だ。
ワシはチャイナドールをこれで覚えた。
あんまり自慢にはなりゃしない。

よくあるのは、なんだかエロエロな匂いのするカラオケだ。
カラオケが置いてあるだけで、システムはなんらゴーゴーバーと変わらない。
場末っぽくなればなるほど、オネエチャン達の密着率とお持ち帰り可能率も高くなる。
こんなカラオケも行ったことがある。
そこのオーナーさんとちょっと知り合いになったので、軽く接待を受けたというノリだ。
ワシの性別が一応女なので、部屋に入るとビールをついでくれるオネエチャンだけが入ってきた。
そこのカラオケマシーンは意外とハイテクで日本語の歌が充実していた。
・・・やはり日本のおっさんがお得意様なのだろう。
違う部屋をのぞくと、お一人様に付きお二人くらいオネエチャンを侍らせて、嬉しそうに興じているおっさん連中がはしゃいでいた。
確かに、日本じゃそんな可愛い女の子がそのお値段であんたにはチヤホヤしてくれんでな・・・(--;)
お金で解決の大人の社交場だ。

チェンマイではローカルな人だけが集まるカラオケにも行った。
仲良しになった兄さんが連れて行ってくれた。
ピン川沿いではあるがローカルな側にある大きなステージ付きのカラオケだ。
土日は満員になるらしいが、かなりな席数を持つ野外レストランって感じだ。
そこは、テーブルに番号があり、その順番で歌う番が回ってくる。
例えば4人席で混んでいたら、テーブルの1人が2曲までしか歌えない。
続けて同じテーブルの人が歌うのは出来ず、次のテーブル順を待つ。
2曲を分けて1人1曲ずつというのもありだが、みんな歌いに来ているので、持ち歌2曲は暗黙の了解らしい。
空いていれば、2人まで歌える。
2曲ずついいので、1テーブル4曲までいい。

そこのカラオケは、ステージの横にDJみたいな人がいて、その人に曲名を申告すればカラオケをセットしてくれる。
そんでもって、DJの前にはマイクやタンバリンやマラカスもあって、コーラスやノリノリ部隊は彼が1人でこなしてくれる。
ステージに上がって歌う人も、自分で前説を入れたり歌の終わりに一言あったりで、まるで歌手の気分が味わえる。
もちろんレストランなので食べ物は何でもあり、飲み物も何でもありだ。
真面目に歌いたい人だけが集まるようだ。
歌声喫茶みたいな感じというか、なんというか、、、、嬉しそうに歌っている姿がちょっとイタイ感漂う。
でも、おもしろい。
日本の歌はないと言われて諦めたが(意外とステージに立つ気満々だったわけだな)、日本の歌が普通にタイ語の歌に変わっているのを発見した。
一緒に行った兄さんが歌った中に、どう聞いても渥美二郎の「夢追い酒」と喜納昌吉の「花」があった。
それは日本の歌でしょ?と聞いても、タイの歌手の歌だという。
うまいことリメイクされてんだなぁ。。。。
あゆや嵐の歌は、彼らの歌として日本の歌として認識されてんのに、、、ねぇ。。。(>_<)
今度あのレストランに行ったら、DJに鼻歌をきかせてテレサテンを出してもらおう。

バンコクのローカル食堂では、意外とカラオケマシーンがあったりする。
その場合は全部タイ語の歌でタイ人が楽しそうに歌っている。
ワシは普通にメシ食いにきただけなんだけど、へたくそなタイ人の歌声をきかせられる羽目に合う。

不測の事態に備えてやはりタイ語の歌を一曲くらいは歌えるといいだろう。
ワシにとっては最近の日本の歌を覚えるのもタイ語の歌を覚えるのも使う労力は同じようなもんだ。
どちらも外国語にしか聞こえないのだから。

2006/11/04

23. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその4

少し賑やかな通りが見え、ちょっとした村なんだなと思わせる。
電車は停まった。
え、駅?ここ?
びっくりしたけど、駅のホーム内だ。
キヨスク以外に食堂屋台まであるじゃないのさ!
きっと大きな町か駅なんだろう。
また賑やかな一団が乗り込んできた。
こういうツアーは日本人だけと思っていたが、旗を持ったタイ人のおじさんを先頭に大きな欧米人のグループが大きな声で話しながら楽しそうにやって来た。

どうやらフランス人のグループらしい。
鼻からぬける音と喉をつまらせるような音がフランス語の特徴のように思うワシだ。
旗持ちのタイ人のおじさんもフランス語でガイドをしている。
すごいね、フランス語って、あんた、スゴイね!
10人ほどのグループで添乗員をまるまるつけて電車の旅となると、お一人様おいくらユーロなのだろうか?

座席についていきなりお食事タイムのようだ。
蚊のなくようなささやき声のタイ語にまじり、陽気なフランス語も飛び交う車内。
一人旅の孤独が紛れると同時に、一人旅の寂しさが交錯する瞬間だ。
トイレで洗面をすませ、少し本を読んでもう眠ることにした。

翌朝、早くに目が覚めて食堂車に行った。
昨夜の喧噪が嘘のように静かだった。
車内で働く人たちも少しだけくつろいでいた。

コーヒーをオーダーした。
今度は座って飲むことにしよう。
朝焼けが見える窓辺に座った。
車掌さんもコーヒーを持ってワシの前に座った。

調子はどう?
よく眠れた?
どこまで行くの?

タイの人はこういうところが優しいなっていつも思う。

よくは眠れないけど大丈夫です。
とても楽しんでいますよ。
バンコク駅まで行きます。
今日はJJマーケットに早めに行って、その後違うところも回って、今日の午後7時半のエキスプレスでまたチェンマイに戻るんですよ。
バカでしょ?(^g^)

ほんとにー???
そんなにショートステイなの?
バカだねぇ〜♪(^▽^ケケケ

そんな楽しい朝のひととき。
青暗い空がオレンジの朝焼けに変わりだした。
太陽がすべてを照らし始めるとジリジリした白っぽい光に包まれていく。
座席に戻るとホリエモンも起きていた。
車掌さんを呼んで、ベッドを座席に戻してもらった。
人としての不義理はしちゃいけねぇというのがワシのポリシーなので、ホリエモンにお礼を申し上げるのは当たり前のことだ。
 いろいろありがとう。
 お世話になりました。
 楽しかったです。

いえいえ、こちらこそ。
Have a nice trip♪(^_^)ノ""""

ホリエモンは空港駅より少し手前で降りた。

一人になったワシを気遣って、食堂車で会った車掌さんが前に座って話しかけてくれる。

バンコク駅はあと2つ先だよ。
間違えて降りちゃだめだよ。
JJマーケットに行くなら、バスストップに並ぶといいよ。
改札出て右側に行くんだよ。
また会えるといいね♪

アホなワシに適切なアドバイスを本当にどうもありがとうございます。(; ;)

他人に優しいのはやっぱりブッディストだからでせうか?
人を欺いたり嘘ついたりする人もいるけど、ワシが出会うタイの人はほとんどが優しい。
日本じゃ電車の隣の人に話しかけることもないだろうし、こちらから尋ねてもこげんに親切に教えてくれるじゃろか?
ワシが日本人として恥ずかしく思うポイントの一つである。

駅に到着した。
大きな駅だ。
プラットフォームもちゃんとある。
改札を抜けて右に行くのね・・・・と、その前に腹減った。
左にあるトイレで洗面して、人のいない正面ホールの左側のクーポン食堂でクィッティオを食べた。

どこで食ってもそれなりでハズレがないのがクィッティオだと思う。
いつものお好みの味付けで持っていこうとしたら、ぜんぜん知らないおばちゃんに、コレを入れるともっと美味いから入れなさい!と言われた。

 ほぉ〜〜〜。∠(@O@) ビシッ!

ワシは頑固だけど、食には寛大で探求心がわく。
こういうローカルなアドバイスはとっても嬉しい。
ほんでもって、ほとんどの場合が本当に美味いのだ。

 おぉ!チャイ。アロ〜イ、マークマーク♪(^^)v

おばちゃんも嬉しそうに微笑んで去って行った。

時刻は朝の7時15分くらい。
バスに乗るにもちと早い。
ぶらぶらしていたら、けったいなおっさんに捕まった。
ワシも時間潰しにおっさんの話に乗ることにした。
話ながら、もしかしたらおっさんは乞食稼業なのかもしれないと思った。
かかとのひび割れ方が尋常じゃないし、身なりもちょっとホームレスっぽい。
それとなく仕事は何?と聞いてみた。
今は無職らしい。
でも物乞いではないそうだ。
仕事を探しに友達と会う約束をしているのでここにいると言っている。
そうだよね、英語も話せるしね。
ごめんね、おっさん、物乞い稼業だと勘違いしちゃって。
今は仕事がないが、おっさんはいろんなことをよく知っている。
外国のこともよく知っている。
おもしろいおっさんだ。

ワシとおっさんの所に今度はTUKTUKの兄さんが交じってきた。
朝も早いし、ちょっとのんびりモードだ。

おっさん達と小1時間ほど駄話しを楽しんでワシはバスに乗った。
どこまで行っても7バーツの窓全開バスに揺られること40分でJJマーケットに着いた。
よくよく考えてみよう。
ワシは一人旅を楽しむバックパッカーではないのだ。
仕事せんとあかんのよ、仕事をね。

バンコクを彷徨き回り、発車時刻に間に合うように駅に着いた。

これが朝と同じ駅かと思うほど人があふれかえっていてびっくりした。
なんでみんな地べたに普通に座ってんだろうね。
ユルイ感がたまらんくいいね♪

チェンマイ行きのエクスプレスに乗った。
車掌さんは行きと違ったけど、食堂車の面々は同じだった。
くわえタバコの無愛想なネエサン方もワシを覚えてくれていたようだ。
ちょっとだけ微笑んでくれた。
でもすぐに愛想なしの仕事に戻った。
笑顔が素敵な人もいれば、眉間にシワを寄せた無愛想な顔が素敵に見える人もおるんだよなぁ。
コーヒーを飲みながら思った。
人間っちゃ〜おもろいわぁ♪

また機会があったら電車旅をしよう。

22. まるで世界の車窓から・・・チェンマイ〜バンコクその3

勝手にシリーズ3回目に突入だ。
チャンビアと水を買って、車両番号を確認して電車に乗り込んだ。
座席番号を確認して自分の席に座った。
電車は二人一組で向かい合わせのシートだ。
ワシは上のベッドなので、向かい合わせの前の人は下のベッドなのだろう。
・・・ベッド???
どこにあるのさ?
初めての経験なのでよくわからないままお利口さんで席に座っていた。
しばらくすると、ワシの前の席の人が乗り込んできた。
30代くらいのタイ人の兄さんだ。
誰かに似てるな・・・と思ったら、ホリエモンをまろやかにした感じだ。
兄さんは英語が堪能なようで、流暢に話しかけてくれる。

お一人ですか?
 へい、一人でがす。
どちらまで?
 バンコクです。
 (ワシはこの時初めてこの電車が直行便でないことを思い出した。)
電車は初めてですか?
 イエッサー!(ロ_ロ)ゞ
 そうだよ、兄さん。
 何もわからんもんで、ひとつよろしく頼ンます。

定刻時間丁度に電車は発車した。
へぇ〜、ちゃんと時刻どおりに出発するんだ!!!
飛行機よりお利口さんじゃないかっ!
窓からは西に傾きかけた太陽の光が射す。
兄さんは本を取り出した。
まぶしいだろうに、子どものように窓から見える風景に喜ぶワシを気遣って少しだけカーテンを閉めた。
優しいホリエモンでよかった♪

窓からみる風景はなんとものどかだ。
川沿いを走る電車に手を振る子どもたち。
よく見ると、じいさんも手を振ってる。
いい年こいた若い衆も振ってたりする。
もう日本じゃ、電車に向かって手を振るなんて右も左もわからない幼子くらいだろうに・・・ねぇ。。。
しばらく行くと電車は最初の駅に止まった。
え?
どこが駅?
ホーム側ではなかったのでびっくりしたさぁー(美らさん調)
しかし、ホームを見てもびっくりしたさぁー。
そうか、これでも駅の機能を果たしておるのだね。
そう言えば、踏切も開放的だし、外からホームに入るのも開放的だわ。
日本であまり電車に乗ることがないので気がつかなかったが、ホームに入るための改札というのがないんだね、そうか、そういうことか。
チェンマイの駅もなかったな、そういうの。
誰でもホームに入れちゃうじゃん。
無銭乗車とかキセル乗車とかないんかい?

しばらくすると何やら制服を着た男達が入ってきた。
何や?
ワシの前の優しいホリエモンが、チケットを見せて「チェック」とニッコリ笑っている。
おぉ、そうか、座席チェックか。
その2の方に先に書いてしまったが、赤ボールペンでピッとね、そう、ピッっでチェック終了。
何駅か停まるだびに車掌さんとお巡りさんグループがチェックに回ってくる。
窓の風景は、亜熱帯ジャングルに変わっていった。

これよかったら食べませんか?
母が焼いてくれたケーキです。
 お、いいですかい?
 お言葉に甘えていただきます♪_(._.)_

ホリエモンの母さんがブラウニーのようなチョコケーキを焼いてカットして息子に持たせようだ。
この国でこんな小洒落たスィーツを作れる人がいたのか!
プチ感動した。
この兄さんはきっとエエトコのボンボンなのかもしれんなぁ・・・
ほいだもんで、ちょっとホリエモンっぽいのかもしれんなぁ・・・
英語もすっげ〜上手いしなぁ・・・
タイの格差社会は日本のそれより格差がド〜ンと激しいと思う。
この兄さんでどの辺のレベルなんだろうか?
そういうところが気になるぅ〜〜〜!
ほいでも、食べ物はビニール袋に入れてるんだぁ・・・
そういうところがアメイジングタイランドでワシの素敵を感じるアンテナにびんび引っかかる。

ねぇねぇ、ホリエモン、何時に寝るの?
そう聞くワシに、暗くなって時間がきたらにしましょうね。とホントに優しい笑顔を返してくれる。
そうね、この人に任せておけばワシはベッドで眠れるね。

ジャングルを抜けるともう日が落ちて暗くなっていた。
そろそろベッドにしますかね?
ホリエモンがそう言うのでイエッサー!(ロ_ロ)ゞなワシ。
車内を行き来する車掌さんを呼び止めて、ホリエモンが何やら言ってくれた。
車掌さんがベッドメイキングするようだ。
数分でこぢんまりとしたワシの寝床が完成した。
こっちは足元。
ワシは上段っす。
これが枕元。
旅のお供の文庫本も忘れない。

しかし狭いがや・・・
身長158センチの標準日本人女性サイズのワシでも狭いと感じる。
ベッドの長さもさることながら幅も狭い。
同じベッドにガタイのデカイ欧米人も寝るんだぜ、、、文句言っちゃ〜いけねぇ、いけねぇ!(>_<)
早めにベッドメイキングしてもらったのでくつろげるにはくつろげるのだが、いかんせん夜は長い。
下段のホリエモンが、そんなワシのソワソワを察知して、他の車両も探検するとおもしろいよと教えてくれた。
まるで修学旅行生と同じ田舎っぺ加減が40を越えた自称大人の女のワシの好奇心とシンクロする。

そうか、他の車両にも行っていいんだな。
次の次の車両くらいが食堂車だから行ってみたら?というお言葉に甘えて車内をうろつく怪しいオレ様だ。
ガタンゴトン揺れるたびに連結部分で落とされないようにせねばと踏ん張る足に力が入る。
だってだって、連結は角にトイレがあって後は倉庫みたいになってて、ほいでもって窓にはガラスがなくって、西部劇の映画でよく見かけるドアもむき出しなんだもん。

おぉ!ここが食堂車か!
車両に入るためのスライドドアを開けた。
おいおい、どこのバーだよ?(>_<)

時間が時間だったせいか、欧米人であふれかえっている。
唯一タバコが吸える車両らしい。
このチープで安っぽい照明が婀娜っぽく、タイの場末のカラオケかゴーゴーバーを思わせる。

しかしながら、メニューは意外と豊富だ。
ワシは一人旅で腹もそんなに減っとらんかったので隅っちょで人間ウォッチングに興じていた。
食堂車じゃなくても座席オーダーで何でも運んでくれるようだ。
作る人も忙しそうだったけど、運ぶおばちゃんというか年のいったオネエサマ方は無愛想にくわえタバコで連結を通り、窓からペッと投げつけて車内へ運ぶ。
微笑みの国タイランドのニヤ〜っとした笑顔もいいが、こんな人間くさいやるせなさ漂うのもいい。

コーヒーを一杯だけオーダーして立ち飲みしながら見ていたら、「あんた、邪魔だから通路ふさがないでおくれ!」とガリガリに痩せた色の浅黒いくわえタバコのネエサンに叱られた。
あーい、とぅいまてーん。(・_・)(._.)

ホリエモンの待つ車両に戻ることにしよう。